232号(2016年10月)1ページ
動物たちの敬老の日
日本平動物園は開園から47年が経ち、動物たちも当初に比べ、だいぶさま変わりしてきました。もう、開園当初から残っている動物はゾウのダンボとコンドルのたかおとフラミンゴたちくらい。毎年敬老の日には高齢動物の表彰があるのですが、年々候補にあがる動物が増えている気がします。長生きはおめでたいことですが、お別れが近いのかなと思うとちょっと憂鬱。複雑な気持ちになる時期です。
さて、そんな敬老の日のイベントで毎年候補にあがりつつも、大きさや場所の関係で表彰が見送られているおばあちゃんたちを紹介したいと思います。まずは、夜行性館にいるオオガラゴのおばあちゃん。今年で18歳になります。寿命は約15年と言われているので、だいぶご高齢ですが、毎日元気にごはんをたべています。午前中のほうが起きていることが多いので、クリクリおめめを見たい方は午前中に訪ねてみてください。
次は、最近寝ていることが多くなり、ちょっと心配なカンムリサンジャクのおばあちゃんです。ハトくらいの大きさの鳥で、日本平動物園に来てからもう24年も経っています(生年月日は不明でした)。その名の通り、りっぱなかんむり(冠羽といいます)をもつ、青と白のきれいな鳥ですが、お年のため、かんむりはボサボサのほそほそ、全体のみすぼらしさのせいか、水色の羽も灰色っぽく見えてしまいます。実はどちらも全国ではもう日本平動物園でしか飼育していないと思われる動物です。今いる1頭と1羽が死んでしまうと、日本では見納めになってしまいます。1日でも長生きしてほしいものです。
(飼育係 中村 あゆみ)
※カンムリサンジャクは10月13日に亡くなりました。