236号(2017年06月)1ページ
春だ!新体制スタート!
静岡にしては珍しく、最低気温がマイナスに入るか入らないかという辛く長い、厳しい冬を越え(おおげさ?)ついに日本平動物園にも春がやってきました!全国で猛威を奮った鳥インフルエンザも、予防のための努力が実りついに当園では発生しないまま、鳥インフル警戒態勢は解除となりました。ペンギンプールやダチョウ舎、ふれあい動物園の一部に掛けられていた防鳥ネットは役目を終え撤去され、ペンギンへの餌やりや、ヒヨコとのふれあいも復活し、本来の動物園の姿に戻りつつあります。
さて、そんな春を迎えた当園ですが、春は動物の出産ラッシュの時期にあたり、園内でもかわいいベビーたちが続々と登場しています!
まず、4月1日にフンボルトペンギンの赤ちゃんが生まれました。この赤ちゃんの両親は残念ながら抱卵があまり上手ではなかったため、違うペアに抱卵してもらい孵化しましたが、生まれてからは両親ががんばってお世話をし、すくすくと順調に大きくなっています。一度両親がプールで泳いでいるスキをつかれ、カラスの襲撃を受けたこともありましたが、幸いかすり傷程度で済み、その後は飼育員とお父さんペンギンによって手厚く守られています。
次は当園では約10年ぶりの繁殖となる、フタユビナマケモノの赤ちゃんです!ナマケモノの両親は、オスのたまちんが2014年に、メスのハナが2016年に来園しペアとなりましたが、たまちんは人工哺育で育っており、ハナより体格も小さく繁殖してくれるかどうか不安でした。しかしペアになってからこんなにも早く赤ちゃんが産まれるとは・・・やるな、たまちん。肝心の赤ちゃんはというと、お母さんのハナにしがみついてお乳をもらっていましたが、現在は体調管理のため病院に入院しています。
そして、例年繁殖してくれるアカテタマリンに今年も赤ちゃんが誕生しています。2頭の赤ちゃんが、お母さんの背中に乗っていたり、お父さんの背中に乗っていたりするので、ぜひ探してみてください。
最後に、姫路セントラルパークからミーアキャットのオス、ウタくんが来園しました。自然繁殖で育ったウタくんですが、人なつこく愛嬌たっぷりです!やや気の荒い先住ミーアキャット2頭との初めての顔合わせも難なくこなす度量の持ち主でもあります。そんなウタくんの来園を受けて、当園で展示を休止していた猛獣館のミーアキャット舎も、5月始めに展示を再開することとなりました。再開にあたり、担当飼育員が雨除けや給餌場を作ったり、ミーアキャットが本能的に掘るための土を搬入して土止めを作ったりと、準備を整えたところで、いよいよミーアキャットたちを放しました。初めての生活スペースになじんでくれるかドキドキでしたが、翌日には展示場から通じるトンネル内を通ってお客様側の通路にいちばん近いところに顔を出したり、土を掘ってみたりと、楽しんでくれているようでホッとしています。
季節が変わり、新しく当園に入った動物たちに、ぜひ会いにきてください!と、ここまで書いてふと気が付いたのが、今回紹介した赤ちゃんたち、みんなお客様から見づらいかも・・・(泣)そんな見つけにくい動物を探すのも動物園の魅力ということで、ここはひとつ。
(動物病院係 太田 智)