238号(2017年10月)5ページ
実習生だより 「4日間の飼育実習を終えて」
8月18日から21日までの4日間、日本平動物園で実習をさせて頂きました。私にとって日本平動物園は幼い頃から慣れ親しみのある大好きな動物園です。中学生の時の職場体験でも日本平動物園で飼育実習をさせて頂いたので、今回のインターンシップで2回目の飼育実習となります。4日間の飼育自習では、は虫類、小型サル、ペンギン、猛禽、クジャク、ツル、サイ、バク、レッサーパンダの飼育に携わりました。
動物達の健康管理や餌やり、餌をきちんと食べているかの観察、清掃などの仕事を体験させて頂くうちに、動物達との心の距離が日に日に近づいていったように感じます。それと同時に、現代社会における人間と動物の共存について疑問を感じました。日本平動物園で職員の方々が大切に世話をしている動物達は自然界ではどのような暮らしをしているのか?という点です。実習中にある男の子が飼育員の方にこんな質問をしました。「一番怖い動物って何?」私が咄嗟に思いついた動物は無敵のイメージがあるライオンやトラなどの猛獣でしたが、飼育員の方は「一番怖い動物は人間だよ。」と答えました。一瞬、男の子と私の脳裏には「?」マークが浮かびましたが、実習を終えてよくよく考えてみると、飼育員の方が「一番怖い動物は人間だよ。」と答えた理由がわかるような気がします。
動物園の動物と野生の動物を比較すると、動物園の動物よりも野生の動物は過酷な環境を生き抜かなければなりません。人間が捨てたゴミにくちばしが絡まって餌を食べられなくなって死んでしまうペンギンは少なくありませんし、ゾウやサイの牙を目的とした密猟によって多くのゾウやサイが殺されています。水辺に住む魚や鳥などの動物達は水質汚染によって住処が奪われていますし、森林に住むサルやイノシシなどの動物達は森林伐採によって住処が奪われています。人間が資源のために木を伐採したがために、動物達は住処をなくしているのに、動物達が餌を求め人里に降りれば、人間に殺されてしまいます。今ここで挙げた事例は世の中で起こっているほんの一部であり、人間が動物達へ与える環境問題は数え知れません。
今回の実習で動物達を間近で見て、彼らも私達と同じ生き物であるということを改めて実感しました。人間という生き物の自分勝手で彼らの住処を無くしてはなりません。私一人に出来ることは少ないかもしれませんが、一人ひとりが意識を変えることでこういった現状を変えていきたいです。そして、真の人間と動物の共存を目指したいです。
今回、担当してくださったTさん、Yさん、Nさん、Yさん、Iさん、そして、日本平動物園の職員の皆様、大変お世話になりました。職員の方々の動物への愛情を間近で見て、心が温かくなりました。短い期間ではありましたが、毎日が楽しくて充実した日々を過ごせたのも職員の方々の丁寧なご指導のおかげです。これからも世界で一番大好きな日本平動物園に沢山のお客様が来園してくださりますように願っております。