243号(2018年08月)4ページ
仕事のオモテ・ウラ
みなさんは、動物園の「飼育係の仕事」と聞いて、何を想像しますか?動物の世話や獣舎の掃除、ガイドやイベントも行うことはよく知られていると思います。担当する動物は、年度末になると人事異動の結果なども考慮して割り振りが決められています。しかし、動物の担当割り振り以外に、もう1つ割り振り表が配られます。それは、直接“動物とかかわらない仕事”に関する割り振り表です。
動物園の飼育係なのに、“動物とかかわらない仕事”とは何のこと?とピンと来ない方も多いかもしれません。いくつか例を挙げると、園内のイベントを企画立案しスケジュール管理などを行う「イベント班」や、サマースクールなどの教育事業を行う「教育事業班」、季刊誌ZOOしずおかを編集・発行する「ZOOしずおか編集担当班」などなど・・・担当動物の班とは関係なく、園全体の事業や目的に応じて構成されている班です。日本平動物園には現在10以上の班が存在し、飼育係・動物病院係の職員はみな、飼育業務・診療業務とは別におおむね2~4つの班を兼任しています。例えば私は、レッサーパンダ・爬虫類・アジアゾウの飼育を担当するかたわら、イベント班、ビジターセンター企画担当班など、4つの班に入っており、各班の打合せに参加して立案や準備を行います。
今回はそんな「裏の仕事」の中でも、私が6年間かかわっているビジターセンター企画担当班(通称ビジター班)の仕事について簡単に紹介します。ビジター班は2013年度からできた新しい班で、ビジターセンターで毎年2回行う企画展の準備を行います。2012年10月にビジターセンターがオープンしたことをきっかけに新設され、今年度は若手職員を中心に11名のメンバーがいます。班としてはかなり大所帯ですが、企画展のために膨大な資料を集めたり、看板を作ったりするので猫の手も借りたい気分なのです。過去には「ウンコ展」や「おれっち世界遺産」、「たまご展」など、動物園で動物を見るうえで新しい視点や知識を提供できればと思って内容を考えています。この原稿を書いている7月上旬は、ちょうど夏の企画展に向けてラストスパート中。なかなか攻めたタイトルの企画展なので、どんな反響があったか気になりますが…?年末年始の干支展もビジター班が企画します。お楽しみに!
(横山 卓志)