245号(2018年12月)6ページ
「さようなら、アラシ」(続き)
10月19日、朝5時30分に飼育担当者が会ったのがアラシとの最期になりました。亡くなる2週間ほど前までは食欲もあり、アラシが苦しんでいませんでしたので、安楽死という選択はしませんでした。解剖の結果は、老衰。自由に木にも登れず、5か月間のバックヤード生活で床ずれもできて、アラシには辛い思いをさせたかもしれませんが、スタッフ皆が心をこめてアラシを見守り、寿命までお世話してくれたことに感謝しています。
アラシは平成27年に亡くなったキコとの間に子宝に恵まれませんでした。アラシの子孫を残したいと思い、死後精巣を摘出して大学に送り精子回収を試みましたが、残念ながら精子は回収できませんでした。子孫は残せなかったけど、皆の心にはこれからもずっと生き続けてくれることでしょう。展示場前に設置した献花台には多くの方からお花をいただき、アラシも喜んでいると思います。アラシを応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。最後に、お花に添えられていたメッセージをお借りして、アラシを送りたいと思います。
「アラシは皆のヒーローだったね!ありがとう、アラシ。」 (松下 愛)