99号(1994年05月)4ページ
明日を信じて
今年もはや前期が過ぎ去りました。が、とうとう例年のベビーラッシュの報は聞かずじまいに終わりました。
原因はいろいろあります。たまたまの不運が重なってもいます。高齢化もあるでしょう。中には、奥深く、動物園界全体の問題として横たわっているのもあります。
と言いつつ、思いつつも、ベビー誕生のニュースには接したいものです。それは単に私達の喜びだけでなく、お客様に対してだってこれ以上のサービスはない筈です。かつ、未来への確信でもあるでしょう。が、現実は増える動物と増えない動物との差が極端です。流れに任せていると、更にアンバランスが広がるのが現状です。
十年以上前、ライオン、ピューマに始まった避妊手術は他の食肉獣にも及び、その流れは草食獣にも及びつつあります。その中で繁殖に取り組まねば、つまりよりテクニックの要する繁殖に取り組まねばならないのです。