でっきぶらし(News Paper)

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明日を信じて◎コンドル、またも破卵

コンドルのオスが長年連れ添った相手を亡くしたのは、もう何年前でしょう。かれこれ三〜四年になるでしょうか。
で、やってきたのが現在のメスです。じっくり御覧になれば分かるかと思いますが、まだ体全体はくすんだ色彩をしています。そうです、充分に成鳥になり切っていません。
来園当初、オスとの同居に苦労したばかりか、妙に人馴れしていてすぐにそばに寄ってくるので、担当者は獣舎の掃除もままならなくてずいぶん苦労したようです。
おてんば娘と言っていいのか、どこか自覚の足りなさそうなメスでしたが、どうにか産卵にこぎつけたのが昨年の春のことでした。が、これは一ヶ月足らずで破卵してしまいました。
メスはともかく、オスは例え一羽ながらも育雛経験があります。そのオスとの間でようやく産卵。結果は失敗でも曲がりなりにも一歩前進ととらえ、来春への期待をふくらませたのは私だけではないでしょう。
今春、期待通り再び産卵しました。産卵前にはオスとメスの仲睦まじい光景もしょっちゅう見られました。好条件がそろう中、オスとメスが交替しながらの抱卵も実にスムースでした。
ただ、気掛かりだったのは、この種の抱卵期間がべらぼうに長いことです。実に二ヶ月も要するのです。かつての成功にもちょっとした工作、工夫を凝らした経緯がありました。
卵が破れてしまったとの報を受けたのは、昨春と同じ、一ヶ月ぐらい経過した頃でしょうか。期待が大きかっただけに、失意も同様に大きいものがありました。
何かが足りません。かつての裏技と言っていいようなテクニック※一卵目はふ卵器に入れ、少し遅れて産む二卵目を抱かせ、途中ですり替えて抱卵期間を短くする。そのような方法も考えねばならない時期にきているようです。くじける訳にはゆきません。

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