でっきぶらし(News Paper)

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明日を信じて◎クロミミマーモセット、こんなのあり?

俗にポケットモンキーとも呼ばれる小さなサルの仲間、今ではあちこちの動物園で見られるようになりました。隣県の甲府市立遊亀動物園やあるいは浜松市動物園でも相当種数が飼育されています。
それだけ飼い易くなった?これにはやや返答に口ごもります。思ったより飼い易く繁殖に導き易いのがいるのも事実ですが、なんと言っても小さいのが不安材料になって飼う側にプレッシャーを与え続けます。
最小がピグミーマーモセットの百七〜八十g、ほぼ平均的な大きさのコモンマーモセットで二百八十g内外で、最も大型のゲルディモンキーでも四百gはないでしょう。
一般的な標準の大きさであるニホンザル(オス)で十一〜二kgぐらいでしょう。体重の違いを計算してみて下さい。何十分の一ぐらいしかありません。
ですが、この小型サル類、体重に比して非常に大きい赤ちゃんを産みます。ピグミーマーモセットで十三〜十五g、コモンマ−モセットで二十八g内外、大型のアカテタマリンなどで四十二〜三gです。しかも、たいてい二頭産みます。体重の何分の一になるか、どうぞこれも計算してみて下さい。
これが、時としてお腹の中で異常に大きくなってしまうことがあります。エンペラータマリンはその為に二度も帝王切開、結局それがたたって体力を消耗して死んでゆきました。
今回のクロミミマーモセット、誰がエンペラータマリンの道を歩むと予想したでしょう。またもや帝王切開になるなんて・・・
コモンマ−モセットと同種で体格も変わりませんから、二十七〜八gの赤ん坊を二頭か二十三〜四gの赤ん坊を三頭なら、恐らくスムースに出産したと思います。
しかし、お腹の中にいたのは三十g以上の胎児が三頭。これでは産道を通りようもなかったでしょう。母体はなんとか生存、それだけがせめてもの救いです。

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