28号(1982年07月)1ページ
繁殖
野生動物を、動物園で展示し飼育していくことの中にはつがいを形成させ、種族保存をはかっていくということも大切なことです。
動物園で、野生の状態をそのまま再現することは不可能です。動物によっては、生理繁殖が違う為、その動物にあった施設・知識・技術等が必要であります。
たとえば、当園では開園以来フラミンゴの繁殖ができませんでした。その理由は、野犬等におそわれる心配があって、夜間狭い寝室に収容していたからです。そこで、昭和56年に野犬が入れないよう施設を改善し、夜間もフリーにしておき、放飼場には繁殖の為の巣台もいくつか人工的に作ったところ、今年5月24日に初めて産卵し、その後も次々に産卵しています。
この他の鳥類も、繁殖期になると、巣材を入れたりしてやらなければなりません。猛獣類は、静かで暗い寝室が必要となります。また動物によっては、出産する為の産出箱も必要となります。・・・
動物の親子のほほえましい姿を見るのは、だれでも楽しいものです。まだ開園以来、繁殖していない動物もいくつかあります。これからも、我々飼育職員は、すべての動物が繁殖するための研究をかさね、知識を深めていかなければならないと思っています。