280号(2024年12月)3ページ
フラミンゴに待望のヒナ誕生!②
フラミンゴに待望のヒナ誕生!①より
そして今年、昨年と違うもう1組の若いペアも他の数ペアが巣作りを始めたのに刺激され、負けじと土を盛り上げて営巣しだしたのです。はじめ昨年のペアがまず産卵し、しばらくしてもう1つのペアが隣の巣に産卵し、若いペアが隣同士で抱卵するという、こちらにしてみれば理想的な良い状態で繁殖に向かうことが出来ました。しかも昨年と違って作り上げた巣の状態はかなり良く、オスメス交代で卵を温め続け、なんとかふ化日数の30日ほど抱卵してくれました。しかし残念ながら、昨年は有精卵でヒナがふ卵器でふ化したペアの卵が、今回は抱卵してくれていたのにふ化に至りません。無精卵であったのか、はたまた抱卵中に、この静岡市でなんと40℃を越える異常な高温になったことも影響したのかわかりませんが、残念な結果に終わってしまいました。そして残ったもう1つのペア、隣の巣で抱卵していたペアが解消され、いなくなってしまった中、本当に粘り強くオスメス協力して抱卵し続けてくれました。あの連日のうだるような猛暑の中、また時にはドシャ降りの雨にも負けず必死に抱卵している姿を間近で見ていると、見ているこちら側も感動すら覚えましたし、フラミンゴも頑張っているんだから自分も負けずに頑張ろう、となぜか暑い中での仕事もちょっぴり頑張れたような気がします(感謝)。そしてほぼふ化予定日(9月3日)、前日からハシ打ち(ヒナが卵をクチバシで割る)が始まり、当日の朝見事に元気な赤ちゃんが親鳥の足元で誕生していました。それはそれはフワフワでとってもとってもかわいい姿のヒナでした。現在は2か月ほど経っていますが、親から口移しで上手に餌をもらい、立派にたくましく育っています。もう少ししたら自分でも採食できるようになるでしょう。
さて、今回は親鳥の頑張りにより繁殖に成功することが出来ましたが、鳥類全般に言える繁殖させるコツとして、飼育係が鳥たちと友達になる、ということが一番大事なことだと思います。具体的にメガドームでいったら、まずは人懐っこいカモに慣れてもらい、いやもっといったら池の鯉に始まり、それからトキ、ペリカンへと友達の連鎖を作っていく。安心させる環境作り、飼育係そのものが安心できる環境の一部になれれば最高です。
(松永)