29号(1982年10月)6ページ
動物病院だより
雨が降る9月19日午後1時半より動物慰霊祭がおこなわれた。昨年1年間に亡くなった動物達の名前が、静かに読み上げられた。
2月25日の朝、突然たちあがることができなくなって、皆で体をささえて点滴をしたマサイキリンの仔。3月26日、親のカゼがうつり、肺炎で死亡したチンパンジーの仔。6月4日朝獣舎のすき間に首がはまりこんでしまって、どうすることもできなかったマサイキリンの高子。7月4日、焼津の漁船員より寄贈をうけたが、輸送中に肺充血で死亡してしまったマカロニペンギン・イワトビペンギンと次々に死亡した動物の名前が続く。8月1日夜9時ごろ、けいれんをおこしていると連絡をうか、かけつけ治療したが、敗血症で死亡したレッサーパンダのアンアン。12月2日に化膿性肺炎、心筋こうそくで死亡した人気者トドのラニーと、本当に悲しさだけが思い出されます。
・哺乳類 16種21点
・鳥類 16種26点
・ハ虫類 8種 8点
・計 40種55点
例年よりは少なかったが、動物の死はつらいものです。(出産も48点と少なかったが・・・)
当園も開園して13年たつ。動物達も青年期から壮年期に達しているものがふえ、死因も肝臓癌とか心筋こうそくといったものが目立ってきている。これから冬にむかっていく。動物も、温度の急激な変化には弱いので、体力のなくなってきている動物達には、特に気を配って、1日でも長く生きて、来年の慰霊祭には今年よりも、さらに読み上げる動物の数が少なくてすむようにしたいものです。
(八木智子)