30号(1982年11月)9ページ
動物病院だより
いよいよ、熱帯鳥類館、夜行性動物館の新築工事が始まった。今までの熱帯鳥類館をとり壊し、その場所に新しくつくりかえるため10月19日鳥達の大移動が行われた。病院には、入院室と検疫室の2部屋動物を収容する部屋があるが、そのうちの入院室にゲージを大小6ヶ入れ、鳥達が収容された。だから今まで入院していたものは全て検疫室の方へ入れることになり、ただ今、所狭しとゲージがならんでいる。こんな状態で、入院が必要な動物がでてきたらたいへんと、ただひたすら、平穏無事に工事終了まですぎてくれるよう祈っている。
動物を捕獲する時は、とかく事故がおきやすいものだ。今回も、オウカンエボシドリが捕まえて部屋に入れても、羽根をふくらませ目をショボショボさせてショック状態に陥ってしまった。また、コマドリ、ホウオウジャクのメスが肢骨折してしまった。いずれも、どうにか命をとりとめてくれたのでほっとしている。
これから寒い冬が訪れる。カゼをひきやすい季節となるわけだが、動物も例外ではない。類人猿はもちろん、ライオンやシマウマ、それに鳥だってクシャミや鼻汁を出し、だるそうにしている。1頭カゼをひくと、同じ獣舎に住んでいる仲間にうつってしまい、あちらこちらでクシャミ、セキが聞こえてくる。
今年はどうなりますことやら・・・。只、平穏無事を祈るのみである。
(八木智子)