36号(1983年12月)1ページ
人工孵化
鳥類には、産卵してもなかなか孵化しない場合があります。中には無精卵もありますが、有精卵であっても途中で成長が中止してしまったり、孵化寸前で死亡してしまう例もあります。
それは、動物園のように限られた場所で飼育されていたり、世界中から集められている為、気候のちがいもえいきょうしているようです。
また、孵化しそうな卵であっても取りあげる場合もあります。鳥類は、産卵したばかりの卵を取りあげると、再び産卵する習性があることから、多く繁殖させる目的で行なうこともあります。
このように取りあげた卵は、仮り親に抱卵させる場合もありますが、多くは人工的な孵卵器に入れて孵化させます。ところが、鳥によって卵の大きさ、孵化日数、温度、湿度がちがうため、孵卵器で同じに孵化させる事は、とてもむづかしいものです。
特に、孵化させるのに大切な事は、温度と湿度ですが、まだまだデーターは完全ではありません。
当園でも、コンドル、ペンギン、キジ類など孵化に成功してきましたが、これからも他園と資料を交換して、技術知識を高めていかなければならないと思っています。