41号(1984年10月)4ページ
爬虫類館10年 その2 アミメニシキヘビの受難
つい先月、5年数ヶ月飼育されたアミメニシキヘビが死亡しました。1月に腹部にできた血腫を切開除去してからの経過が今一つ思わしくなく、ずうっと容態が危ぶまれている中でのことでした。でもこのアミメニシキヘビは、過去のものと比べて一番長く飼育したことになります。それほどアミメニシキヘビに関しては、成績が悪いのです。
過去の日誌を紐解けば、開館早々から1頭が鼻をつまらせハアハア。それに膿のようなものを鼻から口に出すようになりました。室温を上げたりしたものの、結局は効果なく死亡。寄生虫性の肺炎でした。
更にそれから2ヶ月近く経って、残りの1頭も弱り始め、自力で脱皮すらできなくなりました。これも程なく死亡。解剖したら、出てくるわ出てくるわ、回虫が腸よりうじゃうじゃ!どんぶりに山盛りあったと、今でも語り草になっています。
受難はこれに止まらず、その後も餌付かずに死亡したりすることも。アミメニシキヘビの飼育が落ちつきだしたのは、昭和53年の秋頃からではなかったでしょうか。最後に入った個体は非常に大きく、扱いに手慣れていた担当者をも「薄気味悪い」と唸らせました。その個体も先に述べた通りです。今は、かつて子供動物園で幼児教室に活躍したインドニシキヘビが展示されています。