42号(1984年11月)2ページ
良母愚母 第1回
「お母さん」何ともいえぬ言葉の響きです。ほのぼのと暖かいものが、内から涌き出てくるのを感じずにはいられません。子を慈しむ姿は、何物にも勝り、最高の感動を呼び起こします。
が、子が産まれたからといって、必ずしもその美しい光景を見せてくれるとは限りません。それは2年前に、第4号「ぐうたらママ・ワースト10」の中で集約して紹介しました。思い出して頂けるでしょうか。これまでの15年間に、マントヒヒをはじめ実に多くの動物を、人工哺育ないし人工育雛で育てざるを得ないケースがありました。
今までどちらかといえば、そんなふうに直接関わった印象の強い動物を、話題の中心に据えてきました。やむを得ぬことだと思いながらも、それがどうにも胸に引っかかって仕方ありませんでした。もう一度園全体を見渡すような感じで、できるだけ隅まで届くような感じで、話題づくりをできないかです。
そこで浮かび上がってきたのが、それぞれの動物の母親ぶりを紹介してはどうだろう、と言うことです。良いも悪いもです。そんな話題で進めてゆけば、地味な動物でもかなり紹介できるのでは、と思えます。さあ、各種様々なお母さん。どんな形で登場してくるでしょう。