45号(1985年05月)5ページ
動物園の1年 前編 7月
ベンガルヤマネコ2度目の出産・ピューマの食欲不振・他
むしむししてたまらなく暑いこの時期にさしかかると、さすがに出産、ふ化のニュースは少なくなります。そんな中で2日のニホンシカの出産に続き、6日にオオヅルがふ化。メスは開園以来、オスも開園して間もなく来園した個体です。以後、毎年のように育雛に励んでおり、これはもう当たり前のこととして受け止められ、見過ごされてゆきました。
この月のビッグニュースは、ベンガルヤマネコの出産です。4月に産まれた子を人工哺育にしたことにより、2ヶ月余り後に早くも2度目の出産を迎えたのです。前回での一番の問題は、雷雨で親が神経質になったことではなく、巣箱に少し工夫が足りなかったこと。今回は更に工夫を凝らしたことによって、全面的に親に委ねることができました。もともと母性愛はちゃんと示していたのですから、当然の結果といえるでしょうか。
動物の病気が顕著に表れるのは、暑いか寒いかのどちらか。もっともそれは人とて変わりませんが―。開園以来の動物、ピューマのオス、キングが食欲不振に陥り始めたのです。最初は夏バテくらいに考えていたのですが、容態は次第に悪化。通気をよくしたりして、しのぎ易くしてあげたのですが、効果のほうはさっぱりでした。
他、熱帯鳥類館、ジャングル展示室の一員にと、アフリカマメガンの飼育が試みられたのですが、これは見事に失敗。一夜の飼育に終わってしまいました。