45号(1985年06月)10ページ
病院だより
例年どおり、このところツバメやスズメのヒナの持ち込みがふえ、病院の中は小さなカゴが所狭しと並べられています。入院患者は、ツバメ1、ヒメアマツバメ1、スズメ9、イソヒヨドリ1、ムクドリ3、ツグミ1、メジロ2、クロツグミ1、ウグイス2、オオルリ2、ホウジロ1、ヒバリ1、コマドリ1、アオゲラ1、フクロウ4、アオバズク2、トビ1、オオコノハズク1、チゴハヤブサ1、アオゲラ1、ゴイサギ2、タヌキ3、ハクビシン5と、ざっとあげてこのくらいいます。
ヒナの成長率は、いかに手をかけるかで決まりますから、担当の清水飼育課員は、仕事のあい間をぬって病院にもどり、餌やりに大忙しの状態です。ツバメとスズメのヒナを比べてみますと、スズメのヒナはたくましく、同じくらいのヒナで入ってきても、スズメは我先にと首をのばし、時には鳥の上にのって餌をねだり、ツバメの倍近くも食べますから、成長もはやくなります。
このように、野生傷病鳥獣がふえてきますと、園内の動物の収容の方が隅においやられている始末!保護収容の施設があれば・・・と思います。
さて、5月のビッグニュースをお知らせします。5月8日にエリマキキツネザルが3頭産まれました。残念ながら1頭は2日後に死亡してしまいましたが、残り2頭は元気でいます。エリマキキツネザルは、子供を置いていく習性がありますので、先日寝箱に置いてメス親が外に出た時、親子を分けて子の体測を行ないました。子はオス、メスで、5月20日の体重は260gと265gでした。6月10日には530gと535gにふえていました。母親は、横浜の野毛山動物園よりブリーディングローンで来園した個体ですから、大成功となったわけです。放飼場に出ている事が多くなってきたのでごらん下さい。
(八木智子)