46号(1985年07月)9ページ
動物病院だより
今年の梅雨は、降りだしたらとまらない、晴れたらカンカン照りと、体調を崩しやすいようですが、お元気ですか?
梅雨がうっとうしくて気分が晴れなかったら、動物園に足を運んでみてはいかがですか?この時期あちらこちらで親子のほほえましい姿、いや本来の姿が見られますヨ!
たとえば、モンキーアパートのベテランママのブラッザグェノン。7年連続出産ですからすごいものです。昨年の子は、まだまだ甘えたいので、お母さんのところに近づいていくと、おこられて・・・。赤ちゃんがうらやましいって顔をしています。
続いては、オグロワラビーの赤ちゃん。ビビと3女。2頭の育児のうから赤ちゃんの顔や手足などが出ています。あと1ヶ月くらいで袋から出るだろうと思います。
夜行性館では、フルーツコウモリに6頭の赤ちゃんが生まれています。子の体長は3cmぐらいです。最初は親に抱かれていますが、その後少しずつ、胸についたままで羽ばたき運動をし始めます。そして飛びたつわけです。でも初めからスイスイとはゆかず、飛んでもすぐに床に落ちてしまいます。すると親が来て、つれていってくれます。これを何度かくり返していくうちに、うまく飛べるようになります。
小型サル舎では、先月号でお知らせしたエリマキキツネザルの他に、アカテタマリン、ムネアカタマリンに赤ちゃんが生まれています。
熱帯鳥類館のジャングル展示室では、キンバトが1羽孵化しました。雛が小さいうちは、雛が動けば親鳥は吐き戻し、口移しで餌を与えている光景が見られました。が、巣立ち後は、おなかがすいて、親鳥のところに飛んで行き、ないてねだっても親鳥はなかなか与えません。かえって知らんぷりして他のところに飛んでいってしまうことすらあります。そこで雛は、しかたなく餌を拾って食べています。こうやって自立していくようです。このような親の段階的な子育てぶりには頭がさがります。
ハ虫類館では、フロリダキングヘビが19頭孵化しています。ヘビの場合、生きたものを食べますので、その餌付けが問題となります。また、採食時に仲間同志、のみこんでしまうことがありますから、気をつけなければなりません。
この他に、ベニイロフラミンゴ、ホンシュウシカ、アメリカバイソンなど多くの赤ちゃんが生まれています。1度お出かけになってみませんか?
(八木智子)