46号(1985年08月)1ページ
マレーバク
夢を食べる動物とか、またその独特な姿から、昔神様がいろいろな動物をつくり、最後に残ったものを寄せ集めて作りあげたという伝説がある動物―バクである。
バクは現存するもののうちでは最も原始的な有蹄獣で、前肢の指は4本、後肢の指は3本である。前肢の4本の場合も第3指が中心となり、奇蹄目の特窒?示している。
バクの仲間は、アメリカバク、マレーバク、ヤマバク、チュウベイバクの4種類である。このうちマレーバクは、マレー、ビルマ、スマトラ諸島に分布し、森の奥の湿った地帯に生息している。
体毛は白と黒で、ちょうど黒い体に白いマントをかけたように見える。
妊娠期間は、約13ヶ月で、1産1子である。生まれた子はイノシシのように縦じまがあり、生後半年ほどでしまはなくなり、親と同じ色になる。
当園のマレーバクは、時々膿瘍ができる。そこで催眠術をかけて、切開し、排膿、治療を行なっている。催眠術といってもそれほど高度な技術はいらない。必要なものは体力とデッキブラシぐらい。方法はデッキブラシで背中や腰をごしごしこする。すると気持ちよさそうに横になってしまう次第である。