46号(1985年08月)10ページ
動物病院だより 7月
「暑い、暑い」を連発している毎日ですが、皆さんはバテていませんか?
このところホッキョクグマやゾウ、トラ、マレーバクなどはよくプールに入っています。またゴリラなども2頭で水浴びを楽しんでいるようです。夕方、見回りをしてみると、今年は例年より2週間ほどはやく、猛獣達に残餌が見られるようになりました。やはり暑いのですネ!
でも体調をくずすのは、この時期より初秋のころが多いようです。人間と同じで、季節の変わり目が要注意といったところでしょうか。
今月の診療事項のいくつかをあげてみますと、7月5日、バーバリシープのメスが入院しました。この個体は以前、右下臼歯が虫歯になり、抜歯したことがあります。その後、細菌が感染したらしく、右と左の下アゴを比べると2倍くらいに腫れてしまいました。草食獣に虫歯など普通は見られませんが、原因としてお客さんが与えるおせんべい、ビスケットなどを食べていたことが考えられます。お菓子等を与えると、お腹をこわすばかりではなく、虫歯の原因にもなりますから、絶対にあげないで下さいネ!
今月は、鳥の診察があいつぎ、残念ながらいずれも死亡してしまいました。まずはゴクラクチョウ。この個体は昭和47年6月20日より飼育していたもので、肝臓が悪く、腹水がたまっていました。もう一つは、オオオオハシ。この鳥も熱帯鳥類館に展示していたもので、肺炎で死亡しました。
鳥の治療は、捕獲によるショックが大きいので、できるだけ餌に薬をまぜてのませる方法を使います。なにしろ、鳥とのにらめっこをしながらの診断・・・。体がすけて見えるメガネがほしいヨ―。