51号(1986年05月)18ページ
動物の食べ物第四回◎タンチョウ(ツル目・ツル科)
ニホンを代表するツルですが、食性そのものは他のツルとそう差異はありません。特に雛を育てている今、ツル特有のナワバリ意識の強さからくる威圧感まで、全く他のツルと変わらぬものがあります。
太く長いくちばしでもって、放飼場の土を掘り起こし、何やら小さな虫をつかまえ、雛にハイ。なかなか微笑ましい光景です。かつて、オオズルもハエ等を巧みにつかまえ、雛によく与えていました。
実際、そのくちばしを見ていると、器用に使い本当に驚かされます。小さな小麦等の穀類をつまんで食べるかと思えば、コアジ等の魚も巧みにちぎって、おいしそうなところから食べています。雛には身の部分より、以外と目の玉やエラの部分を与えているようです。身はたん白質だけ、ビタミンや無機質の豊富なところを本能的に知っているのかもしれません。