55号(1987年01月)2ページ
レンズから見た動物達【シャッターアンチャンス】
カメラバックをかついで写真を撮りに出かける時、今日こそはバッチシモノにできないかとの期待があります。が、気になることがひとつあるのです。お客さんが多いか少ないかです。というのは、写真を撮る時にどうしても人止め柵の中へ入る為、お客さんが多いといろいろ言われるからです。
「おっポーズとっているぞ」「いいチャンスだ」「それっ、今だ」、このように後ろで応援してくれるのはまだ有難いほうです。困るのは、小さい子供さんが、「おじさん、なんで中に入っているの?」「お母さん中に入ってはだめだよネー」「ボクも中に入るー」等々、カメラを構える私に耳の痛い言葉が次々と聞こえてくることです。
「おじさんはね、お仕事で写真を撮っているのよ」と子供さんに説明してくれるお母さんがおられるとほっとするのですが、必ずしも納得してはいないようです。
時々、親の目を盗んで柵を乗り越えようとする子供さんに、柵の中から「だめだめ、中に入ると危ないよ!」と注意するのですが、不思議そうな顔をされて、なんと説得力のないことでしょう。
(鈴木和明)