57号(1987年05月)11ページ
開園以来の動物 シロガオオマキザル
モンキー舎の小さな主、シロガオオマキザル。あまり夫婦仲も、母子の仲もよいとは申し難いのですが、ここの老夫婦もれっきとした開園以来の動物なのです。
飼育係との仲もよいとは言えず、面を切るように目を合わせようものなら、さあ大変。しばらくは扉をガタガタさせてかつ激しくなきわめき、どうしようもないぐらい喧燥な雰囲気になってしまいます。
18年前、ここ日本平動物園へやって来るまでにヒトに余程いじめられたか、殺されそうな思いをしたのでしょう。未だに、決して打ち解けようとはしないのですから。
もっとも、お客さまには別です。飼育係にとっては苦々しい投餌も、彼等にすれば格好のおやつ。賑やかしくはやしたてる声がしていれば、たいてい自と覚えたトンボ返りをして餌をおねだりしています。南米のチンパンジーと言われる程の利口さをこんなところで発揮するとは・・・
でも、それも生きる活力を秘めているからこそ。寿命が比較的長いところに、それだけの元気があるのですから、まだまだ長生きするでしょう。