64号(1988年07月)3ページ
ベビージャック・ブラッザグエノン
★ブラッザグエノン
子を奪ったシマウマ、生めない体質であったのか、オスとの相性が悪かったのか。今更知る由もありません、が、同様であろう理由から、ブラッザグェノンが子を生み始めた頃にもベビージャックが起ころうとしたことがありました。
かなり以前にも述べましたが、相当にきついメスでした。後からきたオスをとにかくいじめたのです。時に餌の時は目の敵にしていました。
オスだからその内に…は甘く、遂にはメス同士の仲を裂いて、いじめないメスとオスとが仲良くできる状態をわざわざ私達が作ってやらねばならないところまで追いつめられていました。
そんな経過を経て、ようやくにしてできた子を巡ってメス同士のトラブルが起きたのです。とにかく一時的にしろオスを押さえた経験を持つメスです。
そいつが赤ちゃんを欲しいといい出したのです。当然のことながら、母親は拒絶。そうなると力ずくでもとばかりに、子の後ろ足二本を強引に引っ張ったりもしました。
しばしば懸念しましたが、ここまで、母親のランキングが低くとも、シマウマの時のような状態を招いたりはしませんでした。
でも、翌年も更に翌年も子が生まれる度に、ぴったり寄り添う様を見ていると、さすがに哀れさを誘いました。オスと仲よくすれば、いいものを、とついつぶやいたりしたものです。
他園でメスを欲するところがあり、オスとの相性も考えられて遂には放出の憂き目に遇いましたが、今頃は何処でどうしていることやら。新しいオスとうまくやっていればいいのですが…。