64号(1988年07月)8ページ
動物病院だより
今年の梅雨明けは、例年に比べ随分遅れましたが、皆さん、夏を充分味わえたでしょうか。
夏休みになると大学生や専門学校の生徒さんが、例年実習にみえるのですが、今年は五名。それもすべて女性で、一時的に飼育課内も華やかな雰囲気が漂っていました。
さて、この二ヶ月をふり返ってみますと、七月八日にアンデスコンドルが一羽ふ化しています。この鳥舎は今年の一月一日にオープンしたばかりで、いつも見られていたディスプレーも今年はあまりみられないので、半ばコンドルの繁殖はあきらめていました。
ところが、五月十三日に熱帯鳥類館の担当である渡辺飼育課員から「コンドルが♂、♀交代ででてくるけど、ひょっとして抱卵しているんじゃない?」と、連絡があり、確認したところ、しっかり卵がありました。それから五十五日目、ヒナが誕生したわけです。このペアは以前にも一度育すう経験がありますので、安心して私達は見守っています。
新獣舎といえば、八月一日に中型サル舎が、類人猿舎のとなりにオープンしています。そこにはニホンザルをはじめ、ダイアナモンキー、ブラッザグェノン、マンドリル、シロがオオマキザル、アビシニアコロブス計六種類のサルを展示しています。この獣舎は,室内展示場がありますので、夕方、餌を食べている時でも御覧いただけます。数?、一度おでかけ下さい。
もう一つニュースがあります。八月十六日にスローロリスの赤ちゃんが保護されたのです。スローロリスは、霊長目ロリス科。タイ、ビルマ、インドシナ半島、東はジャワ、ボルネオあたりに分布しているサルです。そのサルの赤ちゃん、それも臍帯がついている赤ちゃんが、なぜ焼津の橋のガードレールにいたのか?七不思議!!保護した時、当園でちょうどコモンマーモセットの赤ちゃんを人工哺育していたので、今いっしょに育てられています。これからたぶんピグミーマーモセットも人工哺育になるでしょうから担当者は大忙しです。
(八木 智子)