71号(1989年09月)9ページ
一九八九年繁殖動物を追う(?U)小型サル編
産のシーズンはとっくに過ぎています。では、秋や冬に出産はないのかとなると、そんなことはありません。あくまで、数が減るだけの話です。
ここは北半球の東、かつ気候は温暖で四季の移り変わりもはっきりしているところです。翻って、世界はどうでしょう。正に様々、一言二言でとてもいい表せるものではありません。
南半球は、日本が寒くなればなるほど暖かくなってゆくといいます。オーストラリアでは、サンタクロースはサーフィンにのってやって来るそうです。
そんな国々に棲む動物達が、日本にやって来てその環境に馴じめばどうなるでしょう。まさか、地元の動物を見習って春から初夏にかけて出産、という訳には参りません。まず、季節は無視されます。
これから語るアマゾンに棲む森の妖精ともいうべき小さなサル、マーモセット類の繁殖もその例のひとつです。