71号(1989年09月)13ページ
一九八九年繁殖動物を追う(?U)小型サル編【アカテタマリン(何処まで
赤いというより、むしろ黄色っぽいだいだいの色の手をしています。でも、まあ「赤い」といったほうが感覚的には一番つかみ易いでしょう。
性格も穏やかながら、トラブルは決してなかった訳ではありません。オスににらまれた若メス二頭が、昨年そう間を置かずに群れから脱落してゆきました。
それはともかく、夫婦仲はやはりよかった、というべきでしょう。そして、育児の連携プレーも抜群です。
一九八三年の十一月以来、一年に二度のペースで出産し、今年も四月と十月にとその勢いは衰えていません。で、只今現在、小型サル九種類の内、最も賑やかな家族を構成しています。
九回、十六頭も出産した内訳は、死産わずかに二頭で、途中での死亡も二頭。後はちゃんと育っているのですから、養子、養女に多少出したって、賑やかな家族になる訳です。
微ましいのは、新たに生まれ子が父親や母親だけでなく、お兄さんやお姉さんも一緒になって面倒を見ることです。うん、これぞファミリーとほのぼのした心境になってきます。
かつてワタボウシパンシェが九回十六頭、クロクビタマリンが、十回十六頭の出産をしています。アカテタマリン夫婦が、それにどう追いつき、追い越してゆくのか、今から楽しみでなりません。