81号(1991年05月)2ページ
あらかると
★キリン舎新築工事
六月十二日より、キリン舎新築工事が始まりました。完成は、十二月下旬を予定としています。
開園当初は入口の扉、幅一.五メートル、高さ四.五メートルもあるのを手で引いて開閉していましたが、重くて毎日が苦痛でしょうがなかったものです。餌箱も三段階段を上がり見えない箱の中へコンテナから手探りで入れたものでした。これも毎日朝と夕、ややもすれば苦痛になりました。
昭和四十九年にフジオとタカコの間にようやく二世が誕生したのですが、予備の部屋がなく増築工事を行ないました。それがとうとう古くなって柱は腐ってしまったりと、全体にガタガタになってしまって、新築することに相成った訳です。
先の改造時、自分なりに仕事がやり易く又お客様にも見えるように、を考慮したものでした。まず入口の扉は電動シャッターに替えてもらい、餌箱も上から与える事ができ、それにキリンの邪魔にならないように部屋の外に設け、水飲み場も上の方へ設けました。しかし、上の幅がない為、餌を食べるのに少々難がありました。
今回は、それらにも工夫。部屋の隅にもあまりと言うより全く行かないので、コーナーにアールをつけて動き易くしました。そして、このコーナーを利用して水飲み場をつける予定になっています。
子供の餌箱も今までのは上下させられたものの扱い辛かった為、今回は一定の高さのところに設けて動かないものにしました。獣舎の間の行き来も扉を横にスライドさせる等の工夫をして、設計してもらいました。
私達が思ったように出来上がるかどうか。図面を見ても細かいところが読めない点は、何とも切ないものです。全くの工事が終わるのは十二月、乞う御期待です。
(佐野 一成)
★ああ梅雨空
梅雨時の主婦の悩みと言えば、洗濯物の乾きが悪くたまってしまう事でしょう。特に赤ちゃんをかかえた家ではなおさら。それに、こんな時に限っておむつをぬらす回数が増えるのは、私も三人の子の親なので分かっています。
もっとも、最近では乾燥機や紙おむつ等が普及して、そのような悩みは減っているようです。が、四月にチンパンジーが生まれてそれも人工哺育、ヒトの赤ちゃんと変わらぬ悩みを持つ身と相成りました。
他園では、ヒトの未熟児用のおむつを使用しているところもあるようです。が、当園では、昔ながらの手ぬぐいを利用したおむつを使用しています。
一枚の手ぬぐいを半分に切り、それを何回か折り重ねて七夕のたんざくよりひと回り程大きくして、それにひもを縫いつけてふんどし型おむつの出来上がりです。おむつカバーには、バスタオルを代用します。
一日五回の哺乳時と、その間にもオシッコやウンコで汚れれば取り替え、朝と夕に二回洗濯します。雨の降っている時はキーパー通路が物干し場となり、その雨が降り続けば大型の角ハンガー三つがいっぱいになり、担当者と代番の私と互いに顔を見合わせ弱っちまったなあとため息です。
少しでも雨がやむと外に干し、空を見上げては乾くまで降るなとにらめっこ、その間には破れたおむつのつくろいと、この時期は全くの主婦です。
梅雨がなければ、困る人が大勢いるでしょう。しかし、一日も早く梅雨明けを聞きたい今日此の頃です。
(池ヶ谷 正志)