でっきぶらし(News Paper)

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サルの話題を追って【シロガオサキの来園】

 サキと名の付くサルがいるのを御存知ですか。失礼ながら、とんと想像のつかないのが実際だと思います。
 少々えらそうぶって解説するなら、南アメリカに生息するオマキザル科のサルで、体重は1.5kg前後しかなくやや小型の部類に属します。食性は植物食が強く、家族単位の少群で生活する習性を持っています。ざっと言ってしまえば、こんなサルです。
 と言いつつも、私がこのサルに出会ったのは四年前に行川アイランドと言う動物園を訪れた時が初めて。変わったサルがいるものだと、つくづく感心したのを今でもはっきり覚えています。
 そのサキが急に入ることになったのです。ン年前に購入しようとしたものの、結局はどうにもならず遠の昔に諦めていたのにです。
 しかも、お鉢はこちら。忙しついで、ちったあ毛の色の変わったのも面白いかと受け入れたのですが、これが毛がふさふさしているのに寒さには全くの意久地なしでした。
 ブラウンキツネザルがいたところで展示しようとしたのです。が、寒さで動けず丸くなったままなので、暖房の効いている予備室へ移すしかなくなりました。二kg近くあると思っていた体重も、計ってみれば1.3kgしかなかったとのことです。暖かい部屋におけば食べること、食べること、煮ニンジンであれ、トマトであれ、ぺロリと食べ、せいぜいハクサイがあまり好きでないぐらいです。
 暖かくなれば一般公開できるでしょう。その時、顔の白い半ベソをかいたような表情のこのサルを見て、お客様はどんな反応を示されるでしょう。素頓狂な声が聞こえてきそうで、今から楽しみです。
(松下憲行)

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