でっきぶらし(News Paper)

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あらかると【ゾウの会議】

 数年前より新聞等でゾウに関する事故が、時々載っているのを御存知だと思います。それほどゾウの事故は多いのです。
 現在までに九人の方が亡くなり、その他に重傷や軽傷まで負った方まで数えると、かなりの数に及びます。
 これはゾウと接する作業が多いと、それだけ危険が増す訳です。
 こんなことから、ゾウ担当者会議が持たれるようになりました。最初は東北ブロック、関東ブロック、中部ブロックの動物園の方だけだったのが、昨年より日本動物園水族館協会主催となって、全国の動物園の方が集まるようになりました。
 一年に一回、会議が持たれ、討議は真剣そのものです。事故を未然に防ぐ為の話し合いが進んでいます。
 当園のゾウ、ダンボ二十六才、シャンティニ十三才、個体の性格にもよりますが、青年期に入ってダンボはかなり荒くなってきました。ランクの下の担当者にアタック(攻撃)してくるようになったのです。
 幸い大きな事故にはなりませんでしたが、これを機会に事故を未然に防ぐ為のプロジェクトが結成されました。月二回ぐらいの割合で、ゾウ担当以外も含めて話し合っています。
 初めの問題は、一人作業による事故が多いことから、その時の監視作業をどうするかでした。これは上司にしてもらうことで、安全に作業できるように図られました。
 これからは、後継者の問題、獣舎の改築等の問題がひかえています。
 活発に意見を出し合って求め合って解決してゆかなければなりません。
(佐野一成)

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