88号(1992年07月)6ページ
動物から学んだ子育て【ペンギンの子育て】
ペンギンは、動物園の中でも人気者の一種です。当園にいるフンボルトペンギンは、普通一回に二個の卵をあたためます。抱卵とヒナに餌を与えるのはオス、メス交代で行ないます。
卵を抱き始めて42日目ぐらいでヒナが誕生します。ヒナは、親の口の中に口ばしをつっこみ親が吐きもどしたものを食べて大きくなります。小さいうちは、ジュース状、少し大きくなると半消化のものと、吐きもどす状態が変わってゆくのです。どうしてそのように変化できるのかとても不思議です。
ある程度大きくなっていくと、ヒナへの給餌日数は減ってゆきます。ヒナは、お腹がすいてたまらないので、親鳥のあとをなきながら追いかけ、餌をねだりますが、親鳥はなかなか餌を与えません。ヒナはただただなくばかり…。
二個の卵が無事ふ化しても二羽が順調に大きくなっていくことはなかなかむずかしいものです。両親がそろっていても均等に餌が与えられるとは限らず、ましてや育すう途中で片親になってしまった場合、親の体力にはもう限界がきてしまいます。
親が給餌回数をへらし、ヒナがなんとか魚を自分でとって食べれる状態にきりかわってゆく、そこが重要なポイント!!自立してゆくことはたいへんなことです。
今回は三種類の動物の親子を紹介しました。さあ、あなたも御家族で、いっしょに獣舎をたずねて下さい。そこで新しい発見があると思いますヨ。