88号(1992年07月)12ページ
オランウータンを語る?W(クリコ・育児への道)【介添え終了後のお粗末
長い長い介添え保育からの解放、何もクリコが成長した訳ではありません。成長したのは子です。具体的に言うなら、要するに子が母親の妨害にめげずにおっぱいをしっかり飲むようになったのです。それを体重測定で確かめることができたのです。
ただ失敗と言うか、後の注意が足りなくてクリコを少しばかり苦しめてしまいました。と言うのも、ケンと名付けたその子は、自力では左側だけからしか飲まなかったのです。
ある時気がつくと、右側の乳房がパンパンに張り、石のように固くなっていました。痛がるのを我慢させて思い切って絞ると、おっぱいは雰水のようにビュービューと飛び出てきました。絞っても絞ってもビュービュー、クリコの表情は次第に和らいできて、乳房が元の柔らかさが戻ると安堵感が顔にくっきり。
育児期、いろんなことがあるものです。