昨年二月にオスが、六月にメスがそれぞれ来園し、とても仲睦まじい姿を見せてくれていたシロガオサキのペアに、二月十九日、待望の子供が生まれました。このペアは、同居を始めた時から非常に仲が良く、さしたるトラブルもなくわりとすんなりと環境に馴染んでくれていました。その為、繁殖についてもきっとうまくいくだろうと期待され、周りの者は今か今かと二世の誕生を待ち受けていました。そんな期待に答えて、無事に元気な赤ン坊が生まれました。
　これだけ待たれていた繁殖でしたが、実は生まれてびっくりというのが正直なところでした。それと言うのも、母親のおなかは出産直前でもそれとわかる程に大きくはならず、また出産の数日前にも交尾が見られていたからです。
　生まれた直後から子供は常に母親の胸にしっかりとしがみついており、母親がどんなに激しく動こうとも落ちることはありません。はじめての子供に対しても両親は落ち着いた子育てぶりを見せてくれています。暖かい日には母親は屋外展示室に出ていることが多く、胸についている子供もよく観察することができます。生まれて間もない頃の子供は動きも少なく、母親の長い毛の中に埋もれてあまり目立ちませんでしたが、最近では動きも多くなり、お客さんの目にもよく止まっているようです。ぜひこのまま無事に成長してもらいたいものです。