でっきぶらし(News Paper)

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日本平動物園で実習して 日本動物植物専門学院 山村美穂

 日本平動物園には小さい頃からよく来ていて、飼育係という仕事に憧れていました。友達は牧場やペットショップなどで実習していましたが、せっかく一ヶ月の余暇が取れたのだからと思い、日本平動物園で実習させて頂くことにしました。
 最初の二週間は、子供動物園。ヤギ、ヒツジ、ロバ、ポニーなどのいわゆる家畜が主に飼育されているところです。観光牧場で一度実習したことがあって、一日の作業内容はほぼ同じように思っていたのですが、所変われば作業の仕方は違っていて覚えるまでにやはり時間はかかってしまいました。そうして作業のパターンをのみ込んで、動物をどうにか驚かせることもなくなりました。
 しかし、ポニーをやらせてもらった初日から咬まれそうになり、それからずっとマークされていました。馬は人を見るって本当だったんですね。仕事をする時には、動物の動きにも注意するようにもなりました。
 子供動物園には幼児教室などで人に接する機会が多く、動物にも直接触れることが多く、すごく気を遣う場所だなあと思いました。子供とあまり接したことのない私は、どう話をすればよいか分からなくてとまどったりもしました。
 次いて実習をした大型草食動物は、寝部屋も放飼場も広く堆肥の量も多くて、体力がないとできない仕事だなあと身をもって知りました。それに自分よりも何倍も体が大きい動物なので、ポニーの時以上に動きには気をつけました。
 客として柵の外から見ていれば可愛かった動物も、実際に中に入って接してみるとそんなイメージはどこにもなく、むしろ恐さを改めて印象づけられました。
 動物園での一ヶ月の実習はあっという間に終わってしまいましたが、学校では学べないことをたくさん学べたし、動物園と動物のいろいろな話が聞けたのが何よりもの収穫でした。中でも学べてよかったのは、動物とは恐い一面を持っているのが分かったことでした。実習中に怪我をしてしまい、飼育係の方々や獣医さんにずいぶん迷惑をかけてしまいましたが、自分では一生懸命に頑張れたと思います。機会があったらまた実習したいと思いますのでその時は又よろしくお願いします。

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