94号(1993年07月)3ページ
開店以来の動物
十年一昔とは、時の流れを区切るのによく使われる言葉です。確かに深く物事をかみしめたくなる重みのある年月です。
かれこれ何年前になるでしょう。それこそ十年ぐらい前でしょうか。「でっきぶらし」を発行して間もない頃に開園以来の動物を連載したことがあります。その当時ですでに開園より十四年余りが経過していて、予想以上に開園以来の動物が少なくてため息のようなものが出たのを鮮明に覚えています。
更にそれから十年近くが経過です。開園以来の動物はいくらなんでもいなくなってしまっているだろう、と思われるでしょう。どっこい、それがいるのです。
鳥類は想像以上に長寿で、環境に馴じんだ鳥にとっては、二十余年はそう重い年月ではありません。問題は哺乳類です。彼らにとっては、一部の例外を除き、二十余年はあまりに重い才月です。それでもいます。数はわずかですが生き続けています。