でっきぶらし(News Paper)

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友の会コーナー 第34回「日本動物園水族館教育研究会」に出席【研究

 知多半島の海岸には、アカウミガメが卵を産むために上陸してきます。でも海水浴に訪れる人や地元の人達の中でそのことを知っているのはとても少なかった様です。3年程前の夏に、1頭のアカウミガメが産卵のため浜に上がってきました。花火をあげるために海岸に来ていた若い人達がそれを見つけ、つかまえて南知多ビーチランドに運び込みました。産卵のために上陸したとは知らず、ただ「こんな大きなウミガメがいたから」ということだったそうです。それがきっかけでこのビーチランドではウミガメの保護キャンペーンを始めました。「知多の海岸にアカウミガメが産卵に訪れること」「そういう場面に出会ったら騒がず静かに見守ってほしいこと」等を書いたバンフレットやポスターを人の集まる所(海水浴場や旅館、喫茶店など)に置くことで、沢山の人がアカウミガメのことを知るようになったそうです。こんな風に、野生動物を保護していくには沢山の人にまず「知ってもらう」のが大切だということが分かりました。
 南知多ビーチランドではこうしたキャンペーンの他に、アカウミガメの研究も行なっています。例えば卵を温める砂の温度が子ガメの性に影響を与える、といった面白い研究結果も発表されました。(ある温度以上になると、子ガメはメスになりやすくなるそうです。)こうしたウミガメの生態のナゾが解き明かされ、研究成果が保護活動に反映される事を大きく期待したいです。
(次回につづく)

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