95号(1993年09月)2ページ
オオアリクイの息子が世帯主になりました
オオアリクイはかなり珍しい動物の一種で、国内でも14頭しか飼育されていません。餌に毎日アリを用意することも不可能で、代用食(アリの代わりになる人工食)を考える必要がある事など、飼育が困難である事も少数しか飼育されていない理由の一つでしょう。国内での繁殖例は数える程で、今までに無事成長したのは3頭に過ぎません。その内2頭は何と!日本平動物園で繁殖に成功しました。そう、オオアリクイは日本平動物園の自慢の動物の一種なのです。エッヘン!!
今までに日本平動物園では5回の出産がありました。そのうち雄、雌各一頭が順調に育ち、もう十分「大人」になっています。雄はボニート、雌はムチャチャと言います。そのボニートの方が11月の中旬に神戸の王子動物園へ旅立って行きました。向こうで横浜の野毛山動物園から来た雌といっしょになることになっています。新しい土地に早く馴れて元気にすごしてほしいものです。
また、はじめの予定ではボニートと入れ替わりにやはり野毛山動物園からムチャチャのお婿さんを迎え入れることになっていました。が、残念ながら婿候補の雄が数ヶ月前に死んでしまいました。ムチャチャは十分にお年ごろで、実はお父さんとの間で繁殖の経験があります。それだけに何とかよいお婿さんを迎え入れたいのですが、何せ国内に14頭しかいない動物のことですからなかなか思うようにはいきません。せめてボニートのがんばりで神戸からよい知らせが届くことを祈っています。