95号(1993年09月)12ページ
幼児動物教室【鳴き声クイズ】
いよいよ、最後の鳴き声クイズです。だれかかってきたのをちょっと注意を促してから整列して座らせると、テープレコーダーから動物の声が流れ出します。
最初は鼻の長い動物の重圧感のある鳴き声がひびいてきます。最後まで聞いて黙って手を挙げようと言われていても、勇んだ幼児たちは途中からもう、ハイ、ハイ。
早過ぎるよ、最後まで聞いてからだよ、と注意を促してから手を挙げてもらうのですが、正解は出なそうで出なかったり、出そうで出なかったりです。あまり出ないと、先生のほうから前もって用意された画用紙に描かれた動物の絵の一部が見せられます。
正解が出ると、その動物の持っている特窒笆ハ白さを語ってから次の質問に移ります。
このようにして更に、物真似をする鳥の鳴き声、先程餌を与えた動物の鳴き声、飛べない大きな鳥の鳴き声、自分達に最も近い動物の鳴き声へと移ってゆきます。
手を挙げてもいざ差されると黙ってしまって答えられない子、差される前から大きな声で正解、間違いを言ってしまう子、飽きてきてしまってソッポを向いてしまう子、ここでも様々な反応を示しながら鳴き声クイズは終わってゆきます。始めてから一時間は経っています。
応募して楽しみにしてくれたであろう幼児動物教室もこれで終わりです。でも、そのまま流れ解散ではいけません。何事も最後の“締め”が大事です。
担当者が、締め括りに幼児達に呼びかけます。「みんな今日は楽しかったかな。動物とお友達になれたかな」にと幼児達は一勢に大きな声で「はーい」と返答してきます。
そのようにこちらにぐいっと気持ちを引き寄せてから、今日はヤギさんにキャベツを与えたけれど、それは皆の為に特別にやったことでこれからは与えてはいけないこと、めいめいが勝手に与えたらお腹を壊してしまうこと、そんなお友達がいたら注意すること、のまず第一点の約束をします。
次にヘビ。今日みんなが触ったニシキヘビはおじさん達とお友達になっていておとなしいけれど、野や山や川にいるヘビは小さくても危ないこと、中には毒のあるヘビもいるので決してつかまえたりしないようにしよう、と第二点目の約束をします。
神妙に聞き入ったところで、動物達はお風呂に入っていないので手をきちんと洗って食事にしましょうと語って最後のあいさつが終わります。
幼児達の「ありがとうございました」大きな声がひびいて解散です。この時私達も腹ぺコです。
(松下憲行)