98号(1994年03月)4ページ
草食獣比べてみれば
草食獣とひちくちに言っても、実に様々なタイプがあります。それにこの‘草食‘って言い方にも少々疑問が湧いてきます。何故って、木の葉を主食にしている動物に草食ってやっぱり変です。
文献を調べてゆくと、ブラウザー、グレイザー、あるいは選択型、非選択型と言う風に分けられています。つまり木の葉を主食にしていると草を主食にしているのとでまず大別しているのです。もちろん融通の効くのもいて、それらは中間型と呼ばれています。
分類されている方向を追っていっても、とても一つや二つの方向で定まりません。長鼻目、奇蹄目、偶蹄目、有袋目のカンガルー科だけに限らずウサギだってそうでしょうし、人魚のモデルでもあるマナティやジュゴンだって海にいる草食獣でしょう。
いやはや実に幅が広くて、生き物の持っている多様性や適応能力を改めて思い知ります。彼らの持っている奥深い不思議さ、当園で飼育されているのから追って
ゆきましょう。