でっきぶらし(News Paper)

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草食獣比べてみれば◎アメリカバイソン

惚れぼれするうんこをする草食獣と言えば、アメリカバイソンです。これっきゃいないとは言いませんが、黒々としてずしっとしまったうんこは、やや光沢を伴いながらエキスは全て頂きました、と言っているようですらあります。
西部開拓史は、動物絶滅史。空の色を変えるほど(恐らく何十億羽)いたといわれたリョコウバトはあっと言う間に滅んでしまったし、同じく草原の色を変えるほどと言われたアメリカバイソン(これは億単位?)も激減、最悪時は五百頭すら割ったそうです。
これは、もう遺伝子の多様性に疑問符のつく数です。アメリカバイソンが前時代の遺物的存在だったら、かつての勢力回復は絶望的ですらあります。ところが、現実には増えて増えて今ではかなりの数が間引かれています。日本平動物園においても避妊手術をほどこすしかないぐらい、引き取り手がなくなってしまっています。
いかに人為的な理由で絶滅の危機に陥ったか、言わずとも通じるでしょう。何年か前のあるテレビ番組で映し出されたアメリカバイソンの頭蓋骨の山、山、山、今思い出してもゾッとします。
それはそれとして、同じ草食獣ながらゾウとバイソンの違いは、ブラウザーとグレイザー以上に※反芻するしないにあるでしょう。
ゾウの小腸の長さは二十メートルにも達するとか。でも反芻はしません。片やアメリカバイソンは代表的な反芻獣です。今、現在、全盛を誇っている数多いウシ科の仲間です。
第一に胃にしっかり喰い込んでそこにいるバクテリアで分解、それを戻して噛み直して次の第二胃、第三胃へ。そして最後にしっかり消化してくれる第四胃へ送り込むのです。
それが効率の高い消化となるのでしょう。堆肥当番時、ひとりではどうしてもトラックに上がらぬポリバケツ(百リットル用)がありました。それがアメリカバイソンのうんこが、しかも八分目しか入っていないものでした。

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