124号(1998年07月)2ページ
ワライカワセミの♀ 他界
熱帯鳥類館の一角にワライカワセミの展示室があります。ここで一昨年の5月6、10日にヒナが誕生し、当園で初めて成育に成功しました。
実はここに至るまで長い道のりがありました。当園でワライカワセミを飼育し始めたのは、今から25年程前。それから7年を経過して繁殖がみられたのですが、孵化した翌日ヒナの姿が忽然と消えてしまったのです。当時の担当者曰く「♂が食べてしまったのでは」とのこと。それからというもの♀がこの♂に対し攻撃するようになってしまったのです。その後いろいろな方法で同居を試みたのですが、いずれも失敗に終わりました。
そこで、このペアでの繁殖計画をあきらめて平成8年3月に新たに♂を東山動物園よりいただきました。最初、♀がこの♂に対しちょっと強気でいったのですが、この♂、若いけれども動ぜず、しっかりと♀を受け止めてくれました。そして2世誕生へとつながったのです。
ところが、ここへきて♀の羽毛がパサパサになったり、抜けたりと外見的にも体力の衰えがわかるようになり、8月4日にとうとう死亡してしまいました。せっかくいいペアができあがったのに、とても残念な結果となってしまいました。