155号(2003年09月)3ページ
タンチョウの子巣立ちまもなく
今年6月28日に当園では13年ぶりに孵化したタンチョウのヒナ、孵化当時は、人の手のひらに乗るくらいの愛くるしさが一杯でした。やがて日を追うごとに首は長くなり、足もすらりと伸び、成長著しいく驚きました。親鳥が餌の魚を小さく嘴で振るい食べやすい大きさに千切りヒナに給餌をしていたのが昨日のように思い出されます。
今では親鳥と変わらないくらいの大きさになりましたが、羽根の色は、まだ幼鳥らしく頭部と翼にうす茶色が少し残っています。
自然界では秋口頃から羽ばたきの練習をして巣立ちの準備をするのですが、どうも動物園育ちの個体は少し甘えん坊のようで、未だそのような光景を目にすることがありません。しかし、時期が来ればやがて親が子供に対して威嚇行動をするはずです。これは、親が子供に対してもう自分たちで生活できるのだからと巣立ちを促しているのです。動物園では威嚇行動が見られてから子供を親から離すのでは遅いかも知れません。と言うのも放飼場が狭いため大きなトラブルになりかねません。このため、12月の半ば頃には親と別飼いしなければなりません。もしタンチョウの子の姿が見えないときは、巣立ちをしたんだなとエールを送ってあげて下さい。