192号(2010年02月)4ページ
動物園実習だより
日本大学生 物資源科学部 獣医学科5年 金森健太
今回僕は九月十二から十六日までの五日間、日本平動物園の動物病院で実習をさせていただきました。実習内容は獣医さんに付いて園内を巡回し治療、観察をするというものでした。また動物病院内で保護や治療されている動物のエサやり、掃除などの世話もさせていただきました。学校での授業では主に犬、猫、牛の動物に関する勉強ばかりなので動物園という自分の中では異空間な場所での実習はとても充実したものになりました。
特に印象に残っていることはカンムリサンジャクという鳥が入院したことです。下腹部が腫れてしまっていて飛ぶことができなかったため、入院という形をとり、僕はレントゲンや注射の手伝いをさせていただきました。
正直レントゲン写真を見ても鳥類の体内の構造があまりわからないため、どこが悪いのか理解できませんでした。またこのような小さい動物は扱いも難しく手術してしまったらその負荷に耐えられず亡くなってしまうこともあると聞き、とても怖く思いました。
また大きな動物でもむやみに檻の中に入り観察もできない。麻酔銃などを用い眠らせてから運び出したり、治療を行っているとも聞きました。これは獣医としてはとても大変で困難なことだとも感じました。
普段犬、猫に対しては慣れ親しんでいるため、恐怖感というものは全くないのですが、自分よりも大きな動物、怯えている動物に近づいていくこと反撃されてしまう可能性があるため怖いものがありました。
クジャクの保定をやらせていただいたのですが、思っている以上に力が強く抱きしめていても暴れられたら離してしまいそうで体力がいる仕事だと思いました。解放するときに鋭い爪で腕に小さな傷ができてしまいましたがそれもいい思い出です。
実習とはあまり関係ないかもしれないですが、個人的にハイエナがとてもかわいいと思いました。ライオンキングの影響からか獰猛で汚くてずるがしこいイメージが強かったのですが、意外にも自分で狩りを行い、長時間走ることができるように後ろ足が短く前足が長く進化したという話を聞いたり、近くで見るとつぶらな目、体に対して大きい頭。どれを見てもかわいかったです。
去年学校の先輩が日本平動物園の実習を行っていて、話を聞いてみると楽しそうだったため申し込み、実習をさせていただきました。獣医さんや飼育員さんの親切で優しい指導の元、貴重で楽しく有益な五日間を過ごすことができました。
短い間でしたけどお忙しい中お世話になり、本当にありがとうございました。猛獣館が来年度開園予定みたいなのでその頃にまたお伺いしたいと思っています。