でっきぶらし(News Paper)

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一九八九年繁殖動物を追う 松下憲行【タンチョウ 着実に繁殖】

 日本を象窒キるツル、タンチョウ。マナヅルやナベヅルもいますが、美しさにおいては比べものになりません。
しかし今は数を減らし、動物園ですら入手は困難です。それ程厳重に保護され、一羽、一羽の身元までしっかり把握されています。
 彼らをよく見て下さい。足に必ずリングをつけています。それを見れば、どこそこで生まれ、年令はいくつ、オス、メス、まで立ちどころに分かります。
 飼育下においても徐々に増え始め、日本平動物園ででも飼育できるようになったのは一九八三年十二月、更にペアで飼育できるようになったのは一九八五年二月。
 相性がよかったのか、その翌年にはもう産卵、ふ化。昨年はちょっとしたアクシデントでひなを取り上げたりしましたが、それでもちゃんとやり直しをやっています。今年はもう、端っから順調で何の心配もないぐらいです。後は、そのレールの上をどれだけスムースに進んでくれるかです。寿命の長い鳥だけに後十五年も二十年も、と期待と夢がふくらんでゆきます。

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