2017.02.21
【ブログ】怖がりなピューマ
昨日の暴風雨で落ち葉だらけのピューマ舎前(写真②)。
観察ついでにお掃除していたら、いつも正面切って威嚇に来るエリザベス♀の姿が見当たりません。
どこかなー?
いたいた。
いました。
彼女のなかで一番安全な避難場所に。(写真③)
こちらをにらんでいます。
一方で、何度も何度も見にくるリンカーン♂(写真①)。
「なになにそれ食べられる??くれる??」みたいな。
エリザベスは野生出身。
リンカーンは動物園うまれの動物園育ち。
エリザベスはとても警戒心が強く、 リンカーンは怖いもの知らず。
いつもは突っ立って見ているだけの飼育員が、ほうきとちりとりを持って、
カサカサ音を立てている、こんなちょっとしたことでもこんなに反応が違います。
のんきなリンカーンとちょっとしたことを怖がるエリザベスをみると、
人に慣れていない動物が動物園にいるのはかわいそうだと感じる人も多いはず。
動物のストレスを減らす、
動物園の遺伝子バンクとしての役割を果たす、
生息地を守る、健康管理のしやすさ、防疫、コストなど、
色々な観点から 、動物園生まれの動物を増やすことが推奨され、
動物園生まれの動物の割合が増えつつあります。
でも、動物園は野生動物がどんな生き物か知るための場所です。
動物園で生活しやすいよう学習した動物を野生動物と呼んでもよいのだろうか。
エリザベスがいるからこそ分かる野生動物らしさを垣間見るとそんなことも思います。
エリザベスから学ぶことは多く、担当になれてラッキーだなと思いながら日々仕事をしている私から、
ブログを読んでいる方々にも野生味の残るエリザベスの存在の貴重さをお伝えしたい次第でした。
ぜひ愛想のないうちの女王さまにも会いに来てくださいね。