でっきぶらし(News Paper)

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111号(1996年05月)9ページ

動物の仕草・動作あれこれ(?W)食事の光景 「カメの食事、長い首がよ

 爬虫類とは、動かない動物です。ヘビなどが落ち着きなく動く時、お客様は喜んで見ておられますが、飼う側にしてみればどこか悪いのではないかと気をもむ時です。じっとしているほうが、だいたい体調はよい傾向にあります。
 その中でも、比較的よく動く爬虫類がいます。水ガメの仲間です。そう広くない水槽の中ながら、けっこう泳ぎを楽しんでいる感じです。大きいの、小さいの、首の長いの、短いのが様々、5種11点が展示されています。
 それと気が楽なのは、彼らへの給餌は日中でもお構いなくやれることです。ヘビではそうは参りません。隠すつもりはありませんが、生き餌をそのまま与えねばならないとなると、人前で平然とやるのは少しどころか、かなりはばかられます。
 水ガメ類には、生き餌は必要ありません。ワカサギ、とり肉、レバーなどを適度な大きさに切って与えればよいのです。
 餌時になると、泳ぎは一段と活発になります。手を差し出せば、それにも食いつく勢いです。中でも、ひときわ面白味を抱かせるのはジーベンロックとオーストラリアの2種類のナガクビガメです。
 彼らはその名の通り、ろくろっ首のように首が長あくのびている種類です。日本にいるクサガメやイシガメのように甲羅の中に首を引っ込めることはありません。
 餌時になると、その首が一段とのびてくる感じです。顔の表情のどこかとぼけた感じも、餌を求める“仕草”により愛嬌を加えます。気持ちよくぱくぱく食べてくれるのも、飼育係孝行です。
 「いついつ何時ごろに与えます」と教えられないのが残念です。毎日与える必要はなく、せいぜい4〜5日に一度程度です。もし御覧になる機会に恵まれたなら、じっくり観察されることをお勧めします。
(松下憲行)

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