でっきぶらし(News Paper)

一覧へ戻る

« 171号の4ページへ171号の6ページへ »

171号(2006年08月)5ページ

ゾウさん見るなら・おすすめタイム!!

どうもこんにちは。今回は当園のゾウさんの宣伝をさせていただきます。その前に皆様、動物園に行くにはいったい一日のうちでいつの時間帯に行ったら一番楽しめるBestな時間だと思いますか?朝開園したばかり、まだ園内にお客様が誰もいないところを貸しきり状態とばかりに楽しむ。いやいや家族みんなでお弁当を持ってきて昼の時間を楽しむ。もしくは夕方夕涼みがてらにぶらり楽しむ。いろんな楽しみ方が考えられますね。

ではここで‘飼育係から見た「動物園・今が見どころBest time in 日本平Zoo」それもゾウさんに限ってお教えしたいと思います。
ゾウさんは朝9時に寝室から放飼場に出て、夕方3時30分にまた寝室に戻ります。その中で特に2回のおすすめタイムがあります。まず最初のおすすめタイムは、午後1時10分過ぎから始まるゾウさんの調教(トレーニング)の時間です。

うちの2頭のゾウさん(ダンボとシャンティ)のうち、シャンティは直接飼育といって飼育係がゾウの放飼場に一緒に入ってトレーニングを行います。号令は他の動物園では現地の言葉を使っているところもありますが、うちでは日本語を使っています。基本的な「マエ」、「アト」、「アシアゲテ」など数えたら約30の言葉は完全に覚えて理解していますが、もっと細かいものや言葉を組み合わせたものなど含めれば、大体100くらいはこちらの意図する言葉を理解している感じです。正確に言葉の意味を理解というよりも、こちら側の顔色をうかがいながらYesかNoかを決めている感じを受けます。

トレーニング中はライドといってゾウさんの背中に乗ったりもしますが、あの背中に乗るとそれはそれは・・・そこから見える風景はまさに2階から見下ろすような爽快な景色が目の前に広がります。ゾウさんの肩の高さまで約2m50cm、自分の座高を入れればゆうに3m以上の高さから見下ろす訳ですから。ゾウさんの飼育係をしていてちょっとした役得な気分を味わうささやかな?一瞬でもあります(笑)。

また見ているお客様にも中にはこちらに向かって手を振ってくれる方(多くは肩車をされた子供さんですが)がいらっしゃいますが、そんな時私は必ず決めのピースポーズでお客様に返事を返します。いつか一人でもそれを受けとった子供さんが、将来ゾウさんの飼育係になってみたいと夢を持っていただけたなら、それだけで十分な思いであります。
 
あともう一つのおすすめタイムですが、午後3時30分に放飼場から寝室に戻る前に2頭のゾウさんが号令でプールに入ってから入舎するところです。これは昔から体についた砂や泥を一度プールに入れ落としてから寝室に入れていたのが始まりのようですが、今では毎日のパターンになっており、ゾウさんたちもプールに入らないと部屋に入れないと思っているようで、号令でわりとスムーズにプールに入っていきます(ただし寒い冬の間はゾウさんも嫌がりますので中止していますが)。

2頭合わせると7tもの体重になりますので、その2頭が一緒にザッブーンとダイナミックに水に潜るシーンはまさに圧巻!満水になっているプールからは滝のように水が溢れ出し、特に初めてご覧になられるお客様は驚きと興奮に包まれること必至!であります。以前は毎日見ている私たちの感覚ではそんなにどうというものでもない感じでそれ程このプール入れを宣伝してはいなかったのですが、試しに園内放送を入れてもらいお客様にアピールしたところ大変好評で、多い日には200名程も集まり大勢のお客様から「オ〜ッ」という歓声があがるほどです。

またよくよく考えてみたら、全国の動物園でも時間を決めて2頭のゾウさんがこんなふうにプールに入るなんてことをやっているところはないんじゃないか?ということになり、‘自称・日本でここでしか見られない’というフレーズも使わさせてもらっています(笑)。

今回はゾウさんのおすすめタイムをお教えしましたが、動物園にはまだまだたくさんのおすすめタイムがあり見どころ満載です。自分が好きな動物がありましたらその動物のおすすめタイムはいつなのか?それぞれの動物には必ずおすすめタイムがあります。そんなことを思いながら動物園に足を運んで、あなただけのおすすめタイムを日本平のふもとでのんびりと過ごしてみて下さい。きっとそこに新しい発見があることでしょう。
(松永 亨)    

« 171号の4ページへ171号の6ページへ »

一覧へ戻る

ページの先頭へ