でっきぶらし(News Paper)

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204号(2012年02月)4ページ

≪実習だより≫

 私は、8月15日〜26日までのうち10日間、日本平動物園で実習をさせていただきました。
 博物館学芸員の実習ということで受け入れていただいていたので、実習内容は動物の飼育に関係することではなく、園内の掲示物の作成や取り替え・イベント事への同行などの事務仕事が主でした。これまでは、動物園の仕事=動物の飼育というイメージが非常に強かったのですが、この実習を通して、動物園の仕事の別の面を知ることができました。
 実習内容で特に多くを占めていたものは、園内の至る所に貼られている掲示物の作成と修正でした。単に掲示物と言っても、イベントの告知や園内の案内に関するもの、動物の説明など、様々な種類のものがありました。
 中でも、文章・写真・レイアウト全てを一人で任された、ジェフロイクモザルの掲示物の作成には、多くの時間を費やしました。
 まず、クモザルについて知るために、図鑑で調べたり、実際に観察しにいったり、飼育員の方に話を聞いたりしました。ある程度情報が集まったら、それらを読みやすくまとめるのですが、その構成を決めるのにも中々時間がかかりました。背景と文字はどのような色合いにすると最も読みやすくなるか。写真はどんな位置だと見やすくなるか。また、言葉遣いを、読んでもらいたいお客さんの年代に合わせて変えていく。など、お客さんの視点から見つつ、色々なことに注意しながら作業を進めていきました。自分の頭の中で思い描いていたことを、思い通りに表すことはとても難しく、四苦八苦しましたが、担当の橋口さんや高山さんに何度も修正を入れてもらい、最終的には自分でも納得のいく物を作ることができました。
 自分の伝えたいことを、わかりやすく人に伝わる形にすることは、非常に大変なことなのだと実感しました。しかし、苦労して作った物を、多くの来園者の方が見てくださるのだと思うと、頑張ってよかったなぁと、とても嬉しく感じます。
 実習を通して、動物園での飼育以外の仕事を学ぶことができ、そのやりがいを知ることができました。また、来園者として見たときには気付かない、様々な工夫や苦労があって動物園が作られていっているのだとわかりました。この10日間で身に付けたことを、これからの生活・学業に生かしていきたいと思います。
 最後になりましたが、海野園長、担当の橋口さんをはじめとする動物園の皆様、10日間本当にありがとうございました。

鹿児島大学 理学部 地球環境科学科 4年 松永 一馬

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