でっきぶらし(News Paper)

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267号(2022年08月)10ページ

「6月15日は…」

今年の2月発行のでっきぶらしに続いて、またまた何の日でしょうか?クイズです!6月15日は何の日でしょうか?ヒントは06・15の、語呂合わせです。正解は…06(オウム)、15(インコ)で「オウム・インコデー」です!オウム・インコデーは、皆さんにオウムとインコのことについて知ってもらうための日です。当園ではオウムとインコを飼育しているので、オウム・インコデーに合わせて、イベントを実施しました。イベントに来られなかった方のために、今回はオウムとインコについてお話ししたいと思います。

当園のふれあい動物園では6種10羽のオウム・インコを飼育しています。それぞれ緑、ピンク、青など、カラフルな色をしています。とても目立つ派手な色をしているので、野生だと肉食動物に見つかってしまいそうですが、オウム・インコが住んでいるのは暖かい地域のため、あたりにはカラフルな花や果物のなる木がたくさんあります。そういった場所では、派手な色でも、周りの景色と同化する保護色となるんです。

イベントで好評だったのが、ふれあい館の中をインコが飛び回る、バードフライトです。そこで登場した、ルリコンゴウインコのヴィヴィは、飼育員の言葉を聞いて、片足を上げたり、羽を広げてバンザイのようなポーズをすることができます。オウム・インコは頭が良く、人間の言葉を何種類も聞き分けることができます。人間でいうと2歳くらいの知能があるといわれています。このバンザイのような行動は芸をさせているわけではなく、鳥たちが頭と体を使うためにトレーニングをしています。

動物たちは野生では、ご飯がどこにあるか、ここは安全かなど、常に頭と体を使っています。動物園では何もしなくてもご飯が出て来るし、外敵に襲われることもありません。いいことづくしに感じるかもしれませんが、ずっと何もしないのも暇ですよね。特にオウム・インコのように知能の高い動物は、暇だと自分の羽をむしったり、精神的な病気になったりすることもあります。そのため、飼育員の指示通りに行動出来たら、ご飯をもらえるようにトレーニングし、オウム・インコが考えてご飯を食べられるようにしています。オウム・インコは飼育員に褒められることも大好きなので、積極的に行動してくれます。飛ぶことも、狭い動物園では運動不足とストレスの解消になります。

最後に皆さんに知っていただきたいのが、実はオウム・インコの中には、絶滅の危機に瀕している種類もいるということです。理由は、住処(すみか)である森林の減少なども、もちろんですが、特に問題なのが密猟です。密猟とは野生の動物を違法に捕まえることで、オウム・インコは見た目がキレイなので、ペットとして人気が高く、野生の個体を捕まえてペットにすることを認めてしまうと、どんどん捕まえられて、絶滅してしまう危険があります。そのため、法律で捕まえてはいけないと決まっている種類が多いのですが、残念ながら違法でも捕まえて、ペットにしたがる人が後を絶えません。実は当園にいるオウム・インコの半分以上は、密猟されて、日本に連れてこられた個体です。人間に捕まって、海外に連れてこられてしまうと、野生に戻すことが難しいので、引き取って飼育しています。生きて運ばれて来ればまだいいのですが、多くの個体は捕まる時や、運ばれてくる時に死んでしまいます。

最近、テレビやネットの影響で、違法ではない種類のオウム・インコや、野生動物のカワウソやスナネコなどをペットにすることが人気です。とてもかわいいので、飼いたくなる気持ちもわかりますが、その多くが野生から連れてこられていること、ペットとして飼う人が増えると絶滅してしまうかもしれないことを覚えておいてください。イベントや、このでっきぶらしを見て、野生のオウム・インコたちのことにも、興味を持っていただけたら嬉しいです。
      
(江林 奏絵)

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