でっきぶらし(News Paper)

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50号(1986年04月)2ページ

動物園の一年(前編)

季節の変わり目には、よく雨が降ります。全くうんざりするぐらいにです。でも、その雨を糧にして、春を待つ多くの花がいっせいに開花しようとします。日本人の心を騒がせずにはおかない桜は、その最たるものでしょう。
ピカピカの一年生、社会人一年生、人生の節目には桜がよく似合います。いや、桜に限らず、明日に向かおうとする時、勢いよく咲こうとする桜は、正に希望の象窒ナす。
桜を初め、春を彩る花は、やがて散り消え去ってゆきます。しかしながら、心に咲いた希望の花は、散らせず枯らせず、いちまでも色あざやかであって欲しいものです。
とはいえ、思う以上に萎え易く枯れ易い故に、「初心忘れるべからず」のことわざも生まれたのでしょう。
私達にしても、今どれだけ咲かせたまま持っているでしょう。手入れもしないで、ずいぶん長い間、荒れ放題のままにしています。
一年の締め括りに思う一抹の反省。咲きほころぶ桜のようにとはゆかなくとも、少々手入れをして活気を取り戻し、明日への希望の糧として培いたいものです。

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